その最後に歌われた「死んだ男の残したものは」(作曲:武満徹、作詞:谷川俊太郎)、聴いているうちに涙が溢れてきて、日本兵たちが舞台に向かって一緒に歌っている姿が視えました。
その状況は一首では包摂し難いので、連作にしました。
武満の曲がホールに満ち渡る死んだ兵士の残したものは・・・
コーラスが次第に高揚せし時に死んだ兵たち現れ出(いで)り
兵たちは身を乗り出してステージの歌に合わせて共に歌えり
その中の一人は顔が見えたれど他は朧(おぼろ)な影としており
髭面の若き兵士は痩せおれど目を輝かせて歌い上げゆく
コーラスに兵たちの歌が溶けてゆく「他には何も残せなかった・・・」
