富士の影
2008-10-31
黒々と日のなき富士が仁王立ち安んじて行けと送られている
木菟
2008-10-30
灰色のミミズク一羽後ろ手を組んで今宵も僕を見ている
comeback!
2008-10-29
遙かなる山のほかには独り身の置き所なしシェーン残侠
バージョンアップ
2008-10-28
ノアよ、もう大洪水は起こさない 暗い夕空われらの想い
転機
2008-10-27
欲念のバブルがついにマイナスへ 分かち合いへの出直しの風
アセンション2
2008-10-26
ノアよ、もう大洪水は起こさない 人を信じる声音が響く
上昇
2008-10-25
始まった みな仰ぎ見て登り行く階は違えど各自の足で
底見えず
2008-10-24
雨のなか皆うつむいてコスモスは今を耐えゆく収縮の秋
映画『子供の情景』
2008-10-23
バーミヤンの枯れ野に散った夢のありノートを抱いたままの少女の
監督:ハナ・マフマルバフ(イラン) 『子供の情景』
http://www.cinemacafe.net/movies/cgi/20519/
学校へ行きたいのに、大人たちや少年・少女たちによってたかって妨害される主人公の少女の姿がよく描かれている。
少女の眼が実にけなげでいい!それ故、絶望的(或いは現実適応的たくましさ)なラストが印象深い。
また、19歳の女性監督の緻密な描写には、大いなる才能を感じる。しかし、「暴力」の根源をタリバンに単純化するかのような図式には疑問が残った。
原題は「ブッダは恥辱のあまり崩れ落ちた」。
題名を含めて、様々なことを考えさせてくれる作品である。
2008/10/22 第21回東京国際映画祭にて
殻
2008-10-22
流れゆく大河の運ぶ白き舟 今去ってゆく私の殻が
土の歌
2008-10-21
響きゆけホール突き抜く歌声よアフガンと結ぶ虹まだ足りず
佐藤眞作曲 大木惇夫作詞 混声合唱のためのカンタータ『土の歌』
指揮:佐藤眞
アンコール指揮 郡司博
管弦楽:オラトリオ・シンフォニカJAPAN
合唱:東京オラトリオ研究会
賛助出演:新星合唱団
2008/10/19 新宿文化センターにて
コーロ・コスモス演奏会
2008-10-20
たましひの短歌乗せたる合唱の翼は駆ける黄道めざし
女性合唱団コーロ・コスモス第8回演奏会より
松本康子作曲 女声合唱のための組曲「春日真木子短歌抄」(初演)
たましひは虹の彩なしのぼりゐむ冷ゆる大地にわれは身を置く 『野菜涅槃図』
冬虹の弧はふかきかな夫在らぬ空間ふいにあらはとなれり 『野菜涅槃図』
凄まじき孤立といはんか湖の個体となりて横たはるとき 『北国断片』
をやみなく銀杏はながれ 黄にながれ はろかに明かる黄道はあり 『火中蓮』
指揮:鈴木茂明
ピアノ:池田悦子
合唱:コーロ・コスモス
2008/10/18 津田ホールにて
象
2008-10-19
月の夜の屋根裏部屋に帰ったら足音軽く待っていた象
メール
2008-10-18
虹ひとつ消える間よりも短くて二人のメールの往復運動
遊泳
2008-10-17
暗闇で柏手(かしわで)を打つ三度ほど こだま返らず地球は遙か
月
2008-10-16
海峡の大渦巻が逆向きに回り出す今 月煌々と
満月
2008-10-15
夜の道正面仰角四十度東方満月目指して歩む
愛へ
2008-10-15
時が来た我が苛立ちも噦(むかつき)も流れて消えよ星の粉(こ)となれ
風船
2008-10-13
夜の路地、心の形の風船が小躍りしている人気ない風
デトックス(毒出し)
2008-10-12
右肩の筋の痛みを見つめれば自分という謎解けてくる朝
信用収縮
2008-10-11
「収縮」の語になお残るバブル臭 虚構崩壊復旧無用
金木犀2
2008-10-10
過ぎ越してまた戻りゆく夜の道金木犀の香に華やいで
金木犀
2008-10-09
闇にふと灯る香りは金木犀 歩を止めて胸の奥まで
暴落の自由
2008-10-08
いつだって予言を聴けぬ指導者が時を遅らし傷を深める
昇天
2008-10-07
白き歯の笑顔が浮かぶ「太閤記」走りに走り緒形拳逝く
物理学
2008-10-06
進化には目的なしと立ち尽くす淋しき科学ぞ物理学とは
BookOff2
2008-10-05
栞ひも使われることなく弧を描き歌集は静かBookOffの棚
大峠
2008-10-04
人間の意識も地球も変わりゆく今の時代を選び皆来た
バナナ払底
2008-10-03
寒天の次はバナナかスーパーの棚空とする痩せられぬ人
BookOff
2008-10-02
BookOffに読まれぬままの歌集あり200円でも今日も残れり
みどり草
2008-10-01
みどり草泡立ち寄せる波の如溢れて高し都市を呑むもの