赤い蝕
2007-08-31
血の色に染まる月影見し人は優しさ注げ己が心に
鴨々(かもかも)川
2007-08-30
札幌の鴨々川よ永久(とこしえ)に流しつづけよ君への想い
鈴虫
2007-08-29
鈴虫を愛でる耳なき白人よ彼等の分も聞き澄ましいる
皆既月蝕
2007-08-28
月蝕の空轟かせ龍神は水注ぎゆく 浄厳の時
revelation
2007-08-27
この星はいつも啓示に満ちている 気付く機縁はそれぞれなれど
夏の疲れ
2007-08-26
気がつけば真夜ははるかに過ぎ越せり歌を作らぬままの眠りに
形(かた)は示された
2007-08-25
爆発前、間一髪で皆避難 那覇空港に「救い」を見たり
モンローの見た景色
2007-08-24
我ら皆円盤を駆り立ち去れり太古地球の夏の日の午後
脇見せず
2007-08-23
自分には関係ないという顔で捕獲器の横抜けるゴキブリ
雨よ来よ
2007-08-22
あの雲の下では雨に潤うか 音無き雷光、北天に見ゆ
超克
2007-08-21
桃色の未来の地球へ行く前に越えねばならぬこの秋の闇
誘眠の法
2007-08-20
横になり桃色の氣をゆっくりと足より通す 夜毎の船出
減量か
2007-08-19
炎天下、サウナスーツに身を固め青年走る 森抜けて行け
百日紅
2007-08-18
桃色の花を揺らして百日紅真夏の午後を涼やかにする
夏草
2007-08-17
雨の無い日々続けども夏草は着実に伸び我を包囲す
送り灯
2007-08-16
濃き緑輝き溢る柿の葉よ 現世地獄の希望とぞなれ
意志
2007-08-15
戦争の反対は平和?そうじゃない 優しい気持ちを広げゆくこと
能天気
2007-08-14
開戦を決めた者等は前線に決して立たない昔も今も
戦
2007-08-13
「正しさ」を行う者がおしなべて暗き眼になる戦いの中
夜の蝉
2007-08-12
夜が更けるほどに鳴く蝉数を増す あまりの暑さに生き急がんと
脱皮
2007-08-11
蜻蛉のような儚(はかな)き羽の色 殻を抜け出た蝉新生す
蝉の眼
2007-08-10
我が指を抱きしめ登る白き蝉 我を見つめる眼のみ黒くて
白い蝉
2007-08-09
夕方に脱皮したての白い蝉 蜂や烏よ見つけずにおけ
濃き緑
2007-08-08
この夏の木々の緑の濃き色よ生の輝き人より先に
夏の夜
2007-08-07
波が来る密かに密かに寄せて来る我が足先は月とつながり
悔悛の情無し
2007-08-06
火を着けし少年達の魂は還り着けるや元居た場所に
六十二年
2007-08-05
夜を通しジッ、ジジジジジと小刻みに呻く蝉あり 八月六日
夜に鳴く蝉
2007-08-04
薔薇色に生命輝く星となる地球の未来 蝉告げる夜
旅の宿
2007-08-03
八月の夜(よ)に現われし将校の心の中よ明鏡止水
雀
2007-08-02
枇杷の葉の茂みをじっと見つめれば耐え切れずして飛び出す雀
若葉
2007-08-01
濃密に茂る枇杷の葉若葉だけ、そよ吹く風に乱されている