今日から研修のため、寮で社長と2人暮らしの2週間が始まる。
7時頃退社し、社長と焼き鳥屋で飲んでから10時半頃帰宅。11時半に就寝。
深夜一時。社長が寝たままうなっている。
布団でスマキにされた羊が重りをつけられて川に沈められて行くような、そんな悲しげな声でうなっている。イビキはかいていない。
その後1分ほど静かになったかと思うと、駅についた小さな汽車が蒸気を吐き出すように「ぷしゅ〜」と息を吐く。
そのパターンを何度も繰り返している。
子羊、汽車、子羊、汽車……。寂しげな田舎の光景が目に浮かび、穏やかな眠りの世界に誘われながら耳を澄ます。
子羊、汽車、子羊、汽車、子羊……そして今度はなぜか「来るはずの汽車」が来ない。
「ぷしゅ〜」がないまま社長が苦しそうに両足をバタバタさせている!
ああっ。社長が死んじゃう!
まだ入社1日目なのに!!
どうしようと思っていると、社長が突然ベッドから立ち上がりトイレへ。
戻って来て大きくアクビをしてすぐ熟睡。
(大丈夫だ。生きてる!)
そろそろ私も寝なければ。羊でも数えながら。
子羊が1匹、汽車が1台。子羊が2匹、汽車が2台。子羊が3匹……。