さかやんのコンサル日記 Vol.300 平成17年9月9日 金曜日
1回読みきり 「意識の違い」
以前、ある中小製造業の情報化コンサルをやっていた時のことです。
この企業は、客先仕様の製品を受注生産しています(OEMに近い)。
基本的には受注が来てから生産するのですが、納期短縮の要望が
強くなってきたため、予め見込で生産しようとしています。
システム担当の方と現場の部長クラスの方が検討して、過去の
データ等から需要予測できる方法を作り、在庫を持つようにして
納期短縮の要望に応えようと考えています。
基本的に考えた方はいいと思います。後は、どこまで正確に
需要予測ができるかです。
かなり時間をかけて、過去の出荷実績データを分析し製品品種
及び得意先ごとに受注の特性をつかみ、需要予測の方法論を
作られました。そして、システム化する設計を始めようと思い
社長さんにレビューしました。すると社長さんは開口一番、
「生産は受注が来てからするものだ!・・・」
つまり、予め作っておくと不良在庫になる可能性が高いので、
ものは注文があって初めて作るものだということです。
ただ、社長さんは、何が何でも注文が来てから作るという
わけではなく、正確な需要予測ができれば見込生産をやっても
いいということです。
これは、経営者の視点と現場(従業員)の視点で大きく違う
ところだと思います。社長さんが言いたいのは、見込生産すると
どんなに正確な需要予測の方法を作っても、それが100%
であることはない。そのため、不良在庫が残る可能性がある
と言いたいのです。当然ながら不良在庫は、会社にとって
損失になります。言い方悪いかもしれませんが、不良在庫が
溜まって損失がでる痛みは、従業員の方には分かりません。
(それは、社長だけがわかる)
社長さんが本当に言いたかったのは、
「不良在庫が出ると会社として大きな損失になる」
「それをきちんと理解したうえで、需要予測の方法を
考え、見込生産して欲しい」
ということだと思っています。
要するに、もっと真剣に取り組めってことなんです。
ちなみに、以前別の会社でシステム発注の見積を評価して
欲しいという依頼があり、担当者の方と一緒に評価しました。
2つの提案見積があり、1つは内容的に良いが価格がもう1つの
提案より300万円高かったのです。担当者の方は300万円
高いけれど内容がいい方の提案を採用しようと社長さんに
進言しました。すると社長さん、
「300万円稼ぐのに、どれくらい売ればいいのか分かっているのか!」
と言われました。担当者の方は、300万円くらい高くてもいいや的
な発想だったのですが、経営者は300万円でも非常に大切に
するのです。このような、経営者と従業員の意識のギャップを埋めるのは
なかなか難しいものです。
今日の一言
「お金を払うのは社長」
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坂田岳史(さかやんです)
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