部屋に入ると二人の面接官がいた。
左の人はおそらく技術系の人だろう。
右の人が人事部の偉い人か。
これまでの面接の経験でなんとなく技術系の人と
人事の人の区別が付くようになっていた。
「○○大学大学院、○○です。
本日はよろしくお願いします。」
最初の言葉がうまく言えるかで面接の流れは大きく変わる。
就活で最初の面接のときは声が震えているのが自分でも分かってた。
でも今日は…
大丈夫だ。
「ではまず弊社への志望動機と研究内容と自己紹介
を自分なりにまとめてお願いします。」
――いきなり三つか。厳しいな。
このような複数の質問を一度に答えるのは難しい。
一つ目の答えを喋った後に次の質問が飛んでしまうことがあるからだ。
しかしこれは今までの面接で経験済み。
多少詰まりながらも、一つずつ答えていく。
大丈夫・・・。
次に技術系の人から研究内容について少し詳しく聞かれた。
その後再び人事の人が話し始め、会社に入ってやりたいことや、
なぜ研究と分野の違う会社でやっていきたいのかなどを聞かれた。
どれも今までに一度は聞かれた質問。
大丈夫。
自分に言い聞かせる。
面接が始まり三十分ほど経過したとき、
思いがけない質問が来た。
「最近、この業界にとってとても大事な法律が
施行されましたがわかりますか?
説明してください。」
――これは。


