(2003/2/12)NASAシャトル計画部長、苦悩隠し事故原因解明に全力
米スペースシャトル「コロンビア」の空中分解事故以来、連日の記者会見を冷静にこなすロン・ディットモア・シャトル計画部長(50)はいまや米航空宇宙局(NASA)の“顔”。事故原因の解明作業は難航しているが、一つ一つの質問に真摯(しんし)に答える姿勢は、メディアや視聴者からの評価も高い。
エンジニアとして1977年にNASA入りし、99年からシャトル計画全体の責任者を務める。敬けんなモルモン教徒で、実直な人柄と責任感の強さは局内でも折り紙付き。記者会見では「得た情報はすべて提供する」と宣言。閉鎖的と批判を浴びることが多いNASAの中で「極めて異例のスタイル」(USAトゥデー紙)を貫く。
かつての同僚が「時間的、政治的にどんな制約があってもためらわずに打ち上げ延期を決断した」と振り返るほど安全へのこだわりは強い。しかも亡くなったアンダーソン飛行士とは幼なじみ。会見でも時に「事故当日、帰宅するため1人で車を運転した時が一番つらかった」と冷静さの下に隠した心情を漏らす。
事故を機にNASAの安全管理体制には批判が強まっている。原因解明作業の主導権も外部の調査委員会に移ったが、「すべてのデータを調べ尽くす」と決意表明するディットモア氏の発言に当面、世界の注目が集まりそうだ。
(ロサンゼルス=長尾弘嗣)