キャッチと呼ばれる風俗業者の客引きへの規制を強化する改正県迷惑防止条例が一日、県内全域で施行された。
県警本部と那覇署は客待ち禁止地域に指定された那覇市松山周辺に私服と制服の警察官を約七十人
これまでさまざまな「浄化作戦」が展開されてきた松山の街だが、客引き目的で路上にたむろすること自体を許さない条例改正に、店側は「厳しすぎる」と音を上げる。
県警は一斉取り締まりを続け、キャッチの「根絶」に執念を燃やす。(社会部・上原綾子、新崎哲史)
一日午前零時。人通りの絶えない松山中心の交差点から、客待ちする男性の集団が少なくなった。
条例施行の影響か、Tシャツに短パンの軽装で素性を隠し、警戒しながら声を掛けるキャッチも。
近くのキャバクラで働く男性(23)はズボンのポケットから条例の改正点をまとめた広報用チラシを取り出し、「一応勉強したっすよ」と半ば投げやりに言った。
県警や店舗関係者によると、キャッチの一カ月の収入は十四―十五万円が主流で、客の呼び込み数に応じ上乗せする店もある。
男性は運送会社の就職面接に失敗、知り合いの紹介でキャッチを始めたという。「条例は厳しすぎる。しばらくは店内でおとなしくするけど、この先どうなるか。もうニートになるしかないっすね」
地域関係者の話では、松山一帯に風俗店が増えたのは二十年ほど前から。以前は衣服や食料など多彩な品物を扱う卸問屋が立ち並び、企業の営業担当者らが顧客の接待に利用する高級クラブで華やいだが、不況などの影響で移動したり撤退したりしたという。
近くに住む六十代の夫婦は「わが物顔で車道を占領したり通行人にまとわりつくキャッチを何とかしてほしい」と語気を強める。
野菜や果物の卸問屋を切り盛りする女性(55)は「キャッチは出来高払いで必死なのだろうが、このエネルギーを別の方向で発散してほしい」。
県警生活安全部の新城格参事官は「事前広報したにもかかわらず、逮捕者が出たのは、まだ悪質な客引きがいるということ。手を緩めず取り締まりを続けたい」と決意を示す。
週末の多い時で百五十人前後のキャッチがあふれた松山の街は変わるのか。ある男性従業員(21)はあきらめ顔で言う。「普通に考えれば、百万円の罰金を取られる危険を冒してまで客を呼びたい店はないでしょう」
沖縄タイムス
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