ワールド ゴールド カウンシル 日韓地域代表で、日本の金の第一人者として知られる豊島逸夫氏が初心者向けに分かりやすく説明しているコラムを引用させていただきます。
1.原油高騰、インフレ懸念
”物価上昇“という感覚を、投資家がガソリンスタンドなどで実感するようになると、将来のインフレに備え、資産の一部をモノへ移す動きが始まります。その結果、金価格が上昇すると、その現象自体が”インフレの前ぶれだ“と見られるようになり、更に投機的資金が金買いを煽って騒ぎ始めます。
なお、モノへの投資のなかでも特に金が注目されるのは、1970年代の2回のオイルショックの後で金価格が4倍に跳ね上がった歴史があるからです。
2.有事の金
戦争とかテロが心配されるような状況になると、最後に頼りになるのは金だという考えが強まります。イラク、イラン、パレスチナ、北朝鮮情勢などです。所謂、地政学的リスクと言われる要因です。
特に、2001年9月11日の米同時多発テロ以降、有事の金という言葉が復活しました。なお、有事には、経済ショックなどの有事も含まれ、金融信用不安とか、最近では、米国住宅バブル破綻のリスクなども意識されています。
3.中国、インドの台頭
この2カ国は7−9%の経済成長を毎年続け、21世紀の新経済大国になるといわれていますが、両国とも、国民10億人以上の多くが金大好き人間です。文化のなかに金が定着しているので、いまや、インドはダントツで世界第一位の金消費大国です。
4.オイルマネー
原油高騰は、思わぬタナボタ収入を中東諸国にもたらしましたが、彼らも又、金には特別の愛着を持っています。更に、ロシアも原油輸出大国として、巨額の外貨を稼いでいるので、その一部を金で運用する方針をプーチン自身が明言しています。
5.低金利
金は金利を生まないことが一番の欠点です。高金利の時代には人気は出ませんが、今は低金利が続いているので、銀行におカネ預けてもつまらないと感じるマネーが金市場に流入しています。
6.ドル、ユーロへの不安
米経済は一見羽振りが良いのですが、実は台所は真っ赤な赤字です。政府、個人の抱える借金、そして外国からの借金が双子の赤字と呼ばれ、その返済をどうするのか心配されています。
そこで、ドルの将来に不安を感じたマネーのユーロへの大移動が起こったのですが、そのユーロの先行きにEU憲法批准問題や失業問題で赤信号がともりました。そうなると、行き場を失ったおカネは世界中に徘徊を始めます。そして、その流れは、金にも波及しているのです。
7.円安
国内金価格の急騰要因としては円安も見逃せません。
以上をまとめると、今 起こっている金価格急上昇は、(円安を除いて) 複数の、それも、根の深い長期的構造問題に根差しています。例えば、イラク戦争が終結すれば金上昇も終わるというような一過性の現象ではありません。
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