日本の天然塩の製法
日本は、四方を海に囲まれているため、塩の製造は、昔から海水塩と決まっていました。現在日本で用いている天然製造の代表的なものです。(ウィキペデアから引用)
揚浜式塩田
揚浜式塩田(石川県珠洲市)盛土の上に、海水が地下に染み込まないように粘土やビニールシートなどで防水層を形成する。さらにその上に粒子の細かい砂を敷き詰める。
砂の上に海水を丁寧に散布して天日により水分の蒸発を行う。海水散布の合間に砂を時々攪拌して、水分蒸発を促進させる。海水散布と砂の攪拌を何度も繰り返し、充分に水分が蒸発した後、砂をかき集めて、海水で洗い、濃い塩水を作る方法。
入浜式塩田
基本的には揚浜式と同じ。ただ、海水を塩田に取り込む方法として、潮の干満を利用する。これにより揚浜式で必要だった海水を散布する必要が無くなり大幅な労力の省略ができるようになった。
江戸時代前期頃に開発されたと考えられている。いち早くこの方式を導入した瀬戸内海沿岸地域(長門・周防・安芸・備後・備中・備前・播磨・阿波・讃岐・伊予)で生産された塩は品質が高く、「十州塩」と称されて、上方から江戸を含めた全国各地の市場を席巻した。
流下式塩田
太平洋戦争後からイオン交換方式が導入されるまでの間に広く用いられた方法。海水が地下に染み込まないようコンクリートやビニールで防水された緩やかな斜面(蒸発層とよばれる)に流し、水分を蒸発させ、海水濃度を高める。
蒸発層を数回通過した海水を、竹や細いビニール管をまとめてホウキ状にし、いく層にも集めて棚にまとめた枝条架(しじょうか)の上へと散布する。枝条架に付着した海水に風をあてる事で水分を飛ばす。これにより入浜式においても必要だった、塩田上の砂の攪拌の作業をする必要が無くなった。
また風による水分蒸発を主とするため、比較的日照時間の短い場所や季節でも塩の生産が可能になった。現在の自然塩は、大部分この方法による。
揚浜式や入浜式、流下式では塩田で濃い塩水(鹹水)まで作る。この塩水を火力等で煮詰めて、最終的に塩の結晶を得る。
世界の塩の生産で見ると、塩田による塩の生産量は、岩塩の採掘による塩類の生産量の半分程度にとどまっている(2002年データより)。
日本での揚浜式や入浜式塩田による塩の生産性は、その性質上、日照時間が長く・干潮と満潮の海水面の差が大きい地域(瀬戸内地方、能登半島など)に限られる欠点がある。
また気温が低く日照時間の短い冬場の生産も難しい。そのため日本では、1970年代から天候や自然現象・季節によらないイオン交換方式による塩生産が大部分を占めるに至る。
しかし、イオン交換方式は大量生産に向くが、海水に含まれるミネラル分は捨てられるため、生産される塩に含まれる塩類のほとんどが塩化ナトリウムとなる。
一方で、塩田で生産される塩は他のミネラル分も含んだ味の特徴を出すことができる。このため、従来の塩田による生産も見直されている。
各地の塩田
赤穂海浜公園内の塩田揚浜式塩田による塩作りは、石川県珠洲市でいまも行われており、石川県の無形文化財に指定されている。ここでは夏の間、一般の人が揚浜式塩田による塩作りを体験できるイベントが開催されている。
伊勢神宮の御塩殿(御塩殿神社)は入浜式と言われるが、実際は塩田の近くまで水路を設け桶で海水を汲み散布する揚浜式で、毎年10月に神事が行われる。
香川県の宇多津町にある「うたづ臨海公園」には、入浜式を復元した塩田(ただし復元後はポンプによる海水の入水)があり、宇多津町産業資料館(塩田に関しての資料が展示)が隣接している。そこでは塩作り体験を行っていたが、作られた塩の販売をするようになっている。
兵庫県の赤穂市にある兵庫県立赤穂海浜公園には揚浜式と入浜式を復元した塩田がある。