全員の目的が一つの方向を目指した時に、チームの士気は燃え上がる。しかしそのベクトルにも各人微妙な誤差が生じていき、やがてはその炎も勢いを弱める。青春の日々をギター演奏に捧げた日々にも終焉が訪れ、これまであった己の情熱を何にぶつければよいのかと、自己中心的な模索を始めた頃、そこに何故か"ハンドル"があった。男子、自由自在に何かをコントロールしたり、その自由自在さに紙一重で何かをかわしたり、競い合ったりするコトに憧憬する者少なからずと思うのだが、ジブンももれなくそんな一人やった。
バイクやクルマを速く走らせるのは「何かをコントロール」の象徴の一つではあるが、辛うじて一家を養っている男が、まさか己のみの趣味の為に潤沢に資金を投入できるハズはなく、職場の若手衆でチームを発足し共同で手に入れたボロボロのカートを、シゴトの間隙を縫ってオーバーホールし、家計の間隙を縫ってライセンスを取得した20歳代のそのムカシ。






