横たわっているおとんにウイスキー飲ませるわ、サーモンの刺身食わせるわ、横に据えてある鐘をグワングワン鳴らしまくるわ。長女(ヨメ)暴れ倒し。
しかし決してただの悪ふざけではないのだ。お父さんも見た目の貫録に似合わずお茶目やったし、いっしょに飲みに行ってはいっつも悪ノリする娘を、優しく笑い見守っていたし。これはこれで父と娘の、心の込もった酒盛りなのだ。これでいいのだ。
葬儀会館の人からも、「お孫さんが、お爺様のご遺体にあんなにまとわりついていたのを見たのは初めてです。本当に心のこもった葬儀でしたね」と言われたが、「ただし、通夜の晩に鐘を鳴らすのは頂けませんでした」と苦笑もされた。その晩、他の会館利用者は居てなかったというものの、スタッフの仮眠を妨害したコトは申し訳なかった。でもやっぱし、これでいいのだ。

