※国際化支援アドバイザー 内田 俊彦著より引用させて頂きました
中国のインターネット利用者数は2006年末で1億3700万人、すでにアメリカに次いで世界2位の巨大ネット市場となっています。ネット接続の環境は、ADSL回線であってもスピードが極端に遅かったり、接続が不安定だったり、また接続後も当局の介入による強制切断など、決して良好とは言えませんが、今後20年間に全世界の70%のビジネス取引がインターネットを通じて行われることになるとの予測もあり、ネットビジネスの振興とともに中国のインターネット環境は変革期を迎えています。
急成長する中国のネットショッピング市場
中国におけるネットショッピングは、2005年から2006年にかけて都市部を中心に急激に普及しました。2004年までは数十億元程度だった年間取引総額も、2005年には100億元を超え、2006年には200億元(約3000億円)と倍増しています。専門家の試算によると、2010年までの4年間に、取引総額は年平均80%近い数字で増加し、2010年には627億元程度になると予測されています。
普及率は、大都市と小都市、沿岸部と内陸部で差はあるものの、確実にインターネットは一般社会に浸透してきています。ネットショッピングについていえば、利用はまだ沿海部周辺の経済的に発達した地域に限られていますが、今後、中都市や小都市へと利用者が拡大することは容易に考えられます。
中国でのネットビジネスの将来性は非常に高く、計り知れないビジネスチャンスを企業にもたらしてくれることは間違いないでしょう。
中国のネットショッピングサイト
中国のネットショッピングサイトでは、最も利用者が多いのが600万人近くの登録会員を有すTサイトで、次いで人気なのが世界最大手オークションサイトEの中国版です。この2サイトで取引の大半をカバーしているのが現状です。
また中国では、ネットショッピングの普及に合わせて、商品代金はじめ各種サービスや公共料金をネットで支払う方法も普及してきており、その支払い総額は2005年の164億元から2006年の330億元(約4950億円)へと急増しています。最も普及しているネット支払システムの利用者は、すでに2000万人を超えています。
ネットショッピング人気の背景
日本の約26倍という広大な面積、人口約13.5億人という巨大マーケットである中国では、日本のように、近くのコンビニやスーパーで手軽に欲しい物を買うことができません。また中国では買い物をする際、粗悪品や偽物をつかまないよう消費者が商品説明などをじっくり読み、類似商品と徹底比較したうえで購入意思を固めるという習慣があります。インターネットでターゲット商品についての情報を集め、徹底検討して購入意思を固め、ネットで注文し商品の配送を受けるというネットショッピングは、まさに中国のショッピング事情に合ったビジネスモデルと言えます。
ネット販売を中国で行なうには
ネット販売を中国で行うには、中国情報産業部が定めるICPライセンスを販売企業は取得しなければなりません。このICPライセンスには「ICP登録」と「ICP営業許可証」の2種類があります。「ICP登録」は企業が自社の情報を掲載するホームページなど、無償で情報公開を行う非営業性インターネット情報サービスに義務付けられているものです。これに対し「ICP営業許可証」は、企業がネット販売などの事業を行う営業性インターネット情報サービスに義務付けられている許認可です。
つまり、中国でネット事業を行うにはこの「ICP営業許可証」の取得が必須となりますが、問題はこの「ICP営業許可証」は外資企業には与えられないことです。
日本の中小企業による中国でのネット販売方法
では、日本の中小企業が最小限のリスクと資金で合法的に中国でネット販売事業を行うには、どのような方法があるのでしょうか。
【1】中国に現地法人(外資企業)を設立し、中国のネットショッピングサイトに商品を掲載する
(現地法人の設立が必要)
【2】ICP営業許可証を保有している中国の企業と業務提携し、中国でネット販売を行う
(現地法人がなくても可能)
【3】中国に内資企業(国内企業)を設立し、ICP営業許可証を取得し、ネット販売事業を行う
現段階では上記3つの方法に集約されるようですが、【1】は現地法人の設立が必要ですし、【3】は外国企業でありながら中国の内資企業を設立しなければなりません。したがって、【2】の「ICP営業許可証」を保有している中国の企業と業務提携することが理想ですが、提携可能なよい会社を見つけられるかどうかがカギとなります。極めて数は少ないのですが、日本語対応可能な「ICP営業許可証」保有企業も中国にはありますので、根気よく探してみることをお勧めします。

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