競争戦略の中核は、優位性や違いを生み出す差別化を行う点にある。
差別化のための設計図を描こうとするとき、
二つの基礎的な要因についての明確な認識が必要となる。
第一に顧客を誰と考えるのか、
第二に競争相手は誰だと考えるのか。
顧客を認識する際に重要なのが、市場をさまざまな視点で細分化し、
セグメントごとにターゲットを絞ることである。
競争相手を認識することは一見簡単なようにも見えるが、
意外なところに競争相手が存在する場合もある。
数多く存在する競争相手の中で誰をメインの競争相手として強く意識するかが大事である。
これらと同時に必要となるのが製品の定義である。
ここでは自社がどんな製品を売っているのかではなく、
顧客が自社の製品に何を求めているのかについて考えなければならない。
しかし、顧客と競争相手との関係だけで市場が成り立っているわけではない。
市場は多様な他者との関係の上で成りたっている。
この関係性を認識する際に参考になる枠組みが
ポーターによる「業界構造を決める五つの競争要因」である。
差別化の最終的な目標は競争相手との比較優位性と顧客の心を勝ち取ることにある。
そのためにも顧客の持つ他面的なニーズを見つけなければならない。
そのニーズを分解すると顧客のもつニーズは価格・製品・サービス・ブランドの四つに分解できる。
顧客のニーズはこれらの集合であって単一の次元のものではないが、
いきなり全てを満たすことは難解で、まず顧客が最も反応する領域に
差別化のポイントを持ってくる必要がある。
差別化のポイントをつく戦略は個々の武器で競争優位を得ようとするものである。
しかし、企業全体で個性を主張することで顧客に訴える差別化戦略もある。
この個性の主張という差別化には二つのパターンがある。
ひとつはイメージを統一し、企業全体に他社との違いを持たせる方法、
もうひとつは微妙な差別化の集積によって他社との間に大きな優位性を確保する方法である。
前者は新規参入企業、後者はマーケットリーダーに適している。
差別化をする際には「市場は常に変化している」ことに注意しなければならない。
市場の変化を捉える際に重要となる変化は
競争の焦点の変化・ニーズの進化・技術の変化である。
この変化はそれぞれが別の変化を誘発するので
複数の変化が同時に起こることが多い。
自社が何らかの行動を起こすと、当然他社もそれに対抗してくる。
価格競争はその典型的な例である。
つまり反撃への対抗策を考えなければ競争戦略としては不十分である。
対抗策には大きく二つの方法がある。
ひとつは2手目、3手目を用意して相手を突き放す方法。
もうひとつは相手が対抗しにくい行動を起こすことである。
競争相手の存在は高度な競争戦略を要求する。
できれば競争相手のいない市場に参入することが望ましく、
そういった市場に参入することはニッチ戦略と呼ばれる。
ニッチ戦略では市場の隙間を見つける力、
そこで成功するシステムを構築する力が求められる。
差別化であれ非競争であれ、最終的には顧客に選んでもらうことにつながる。
そして、そこで得た利益が次の優位性をもたらすものとなる。
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