製品市場が企業にとっての環境の中の最も大切な部分であることを考えると、
戦略とは「製品市場とのかかわり方の基本方針」である。
しかし、これだけでは抽象的過ぎるので、さらに二つの定義によって戦略は表現される。
・戦略とは、「市場の中の組織としての活動の長期的な基本設計図」である。
・戦略とは、「企業や事業の将来のあるべき姿とそこに至るまでの変革のシナリオ」を描いた設計図である。
この戦略という「基本設計図」はあらゆるレベルでの組織に必要であり、
企業の中でひとつの事業を担当する事業部長レベルの戦略を「事業戦略」、
複数の事業を営む企業における社長レベルの全社の戦略を「企業戦略」と呼ぶ。
戦略が機能するためには二つの条件が必要であり、「外向きの成功要件」、「内向きの成功要件」と呼ばれる。
外向きの成功要件では企業のポジショニングが、内向きの成功要件では企業の資源や組織能力が重要となる。
企業のポジショニングと資源や組織能力はどちらも重要であり、また、互いに影響しあう。
これらを同時に考えることが最も基本的なことである。
経営資源には様々なものがあるが、優位性の源泉となりやすいものは
企業に蓄積される知識としての「情報的経営資源」である。
情報的経営資源は次の3つの性質を兼ね備えている。
・カネを出しても買えないことが多い
・作るのに時間がかかる
・複数の製品や分野で同時多重利用が可能
この情報的経営資源は事業活動の結果として生み出され、後の事業展開の基盤となる。
見えざる資産の蓄積には二つの経路がある。
ひとつは資産の蓄積を目的とした直接的な道、この場合、蓄積のスピードは速いが、深さ・頑固さは伴わない。
もうひとつが事業活動の過程で自然と身につく副次的な道、この場合、蓄積に時間はかかるが、深さ・頑固さを伴う。