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中国(国外)への技術移転

2008-03-20


中国への技術移転を成功させるためには、単純に日本の生産システムを中国に移転するだけでなく、中国側の学習意欲と長期的な技術蓄積という継続的な努力の積み重ねが必要であり、日本企業側が中国の事情にバランスよく「適用」・「適応」することで日本的経営・生産システムは移転可能となる。

そしてこの「適用」・「適応」の程度は産業や業種によって異なる。製品・技術特性のレベルが高く、熟練工の育成が必要な場合は日本的経営の「適用」が必要となり、逆に、単純作業の求められる工場では現地に「適応」する必要がある。

日本的経営が「適用」される工場では、人材の新卒採用、「能力主義」・「成果主義」・「勤怠重視」による昇進評価基準、作業員を級分けすることによる職能資格の仕組みの導入、など日本における経営管理にきわめて近い方法を採用している。また、日本的経営システムにはそれ自体が日本的であることとともに、高コンテクスト、属人的要素が強く関わっているので日本人駐在員が多数派遣される。

一方で、現地経営が「適応」される工場では、熟練技術が要求されないので、出稼ぎ労働者が主となる契約社員を採用し、技術に関してもOJTで身につける。賃金に関しても最低賃金に近い水準に押しとどめている。

この「適用」と「適応」の使い分けによって日本企業は今のところ上手く中国に技術移転を行っている。しかし、この方法はあまりにも日本基準で考えすぎではないだろうか?確かに技術面では日本が高度なものを持っている。しかし、経営管理においては中国側が必ずしも劣っているとは限らず、「適用」と「適応」とはまた別の次元で捉えることが可能なものがあるのではないだろうか?

日本的経営の特徴である「終身雇用」や「年功序列」などが言語化され、認識されるようになったのはつい最近である。しかし、それらの仕組みは概念としては存在しないながらもはるか昔から日本産業に根付いているものであった。

中国にも独自の文化があり、歴史がある。そしてそこには「中国的経営」なるものがあっても不思議ではない。高い技術が要求される場合には日本的経営を押し付け、単純作業で済む場合は現地従業員を搾取。これでもいいのかもしれない。しかし、今一度中国文化を理解しようと努力し、中国に適した経営管理方法を探し出すことは決して無意味ではないと思われる。

参考文献:国民経済雑誌第196巻第2号

Posted by keieigaku at 09:43:44 | PermalinkComments(0)TrackBack(0)

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