お久しぶりです、奥山です。
皆様お元気でしょうか。
IP生活どころか
KBS生活すらも卒業してしまってから、最後の投稿をする自分に苦笑いしています。
この経験から、
有終の美を今後は意識していこうと学びました。。。
前回の記事(と言ってももはや半年以上前ですが)の次回予告では「
白い静寂の中で」となっています。
私の記憶が確かならば、以下の内容の日記を書こうとしていたはずです。
最後の投稿らしく、
ポエム調に描写してみようと思います。
(ちなみに手元にIP中の写真が無かったため、適当な写真をアップしました。)
窓を覗くと、その日は小麦粉の様な雪が降っていた。
日が差している頃にはまだら模様だった近くの公園も、夕暮れには白いベールに包まれた餃子の様になっていた。
そんな風景を部屋の窓際で一人見ていたら、何故か急に酒を飲みたくなった。
「カナダの雪を見ながら飲む酒は、日本と違う味がするのだろうか」
そんなことを胸に思いながら、窓の外に舞う雪を数えようとして、10粒くらいで諦めた。
このまま今日という一日が、まるで餃子の皮が様々な具を包み込む様に僕を包もうとし始めた時、突然その声が聞こえた。
「コータロー(私の名前です)、私よ!このドアを開けて!」
正直飲み過ぎて泥酔していた僕は、夢か現か幻かも分からないままドアを開けた。
すると、まるでバニラアイスを頭からかぶった様に全身が白く、足元はチョコレートの様に茶色く、そして頬はサクランボの様に真っ赤になっている
ジュリエット(フランスからのIP生)がそこにいた。
「まるでチョコレートパフェだ」などと思っていたところ、アバンギャルドなパリジェンヌは僕をこう誘った。
「Snow Sight(※雪見)を一緒にしましょう!今すぐ着替えて、下で待っていて!じゃあ2〜3分後に!」
ジュリエットが閉めたドアには、甘いチョコレートの代わりに、強力粉の様な雪が付いていた。そしてそれはすぐに溶けた。
泥酔していた僕は思った。
「夜の雪を直に見ようだなんて、なんて情緒溢れる行いなのだろう!
そしてジュリエット、嗚呼、君は素敵なジュリエットなんだよ!」
と。
何でもないようなこの瞬間が、この日で一番幸せだったと思う。
コートを着て寮のエントランスを出た僕は、まず雪が舞い降りる空を見ようとした。
けれど、それは叶わなかった。
何故なら僕の両眼が最初に見たのは、エクレアの様に甘いジュリエットの姿・・・ではなく、
シュークリームの様な雪玉だったからだ。
雪玉は僕に当たり、チョコレートパフェがもう一つ生まれた。
残念ながら、当然甘くはない。
そう、泥酔していた僕は、
「Snow Fight(雪合戦)」を、
「Snow Sight(雪見)」と聞き間違っていたのだ!
チクショウ、なんておめでたいヒアリング能力なんだ僕の耳は!
全てを悟った僕は、全ての前提を考え直し、全ての力をこの雪合戦に注いだ。
ドイツ人マニュエルのヒット率はほぼ100%で、彼があと80年早く生まれていたら、世界地図は今と少し違っていたかもしれない。
フランス人フルフォンは、メガネが雪まみれになって何も見えていない様子だ。
同じくフランス人のポリーは、木の陰からこちらの様子を窺っている。
台湾人リンは頑張って逃げるが、背中がどんどん白くなっていく。
イタリア人マルコは、雪の塊を投げようとするが、投げる前に崩れてしまった。
ノルウェー人のピーダーは、雪合戦を無視してそり遊びをしている。
ルーマニア人のカタリーナは、やや本気になっている。危険だ。
デンマーク人のマリアは、正に名前の通り、微笑みながら僕らを見ている。
日本人の僕は、泥酔しながらも懸命に雪玉を量産し、それを全部横取りされ、そしてそれをぶつけられ続けた。
ぶつけ続けたのはジュリエットだった。
そして、僕は風邪を引いた。
ありがとう、雪合戦。カナダの雪は、とても冷たかった。
ありがとう、ジュリエット。背中に入る雪は、酔い覚ましに最適なんだね。
でも常識的に考えて風邪引くよね。
〜エピローグ〜
7月にカナダに降り立ってから再びこの地を去るまでの半年間、
たくさんの友人が出来て、色んな価値観を知った。
風邪も引いたし、二日酔いにもなった。
失恋もたくさんした。
ゲイに襲われそうにもなった。
けれど、言葉の壁を越えて色んなことを共感したし、楽しい時間と悲しい思いも一緒に味わった。
ありがとう、カナダ、みんな、そしてIP生活。
このIP生活を糧に、またこれから頑張って生きていきます。
何故なら、さよならは次に会うまでの遠い約束だから・・・
そんな思いを胸に秘めて、日本に帰国した僕を待っていたのは、
ゼロベース(むしろマイナスベース)の修士論文
と
やや激怒気味の池尾先生だった。
・・・僕の本当の闘いはこれからだ!!
奥山のIP生活
完