今年、「沖で待つ」で134回の芥川賞を受賞した 絲山 秋子氏の デビュー作といわれる「イッツ・オンリー・トーク」を読みました。
私は先に受賞作の「沖で待つ」を読みました。
モチーフにパソコンのハードディスクが使われていたこともあり、面白く読ませてもらった作品だったので、電車の中で読む文庫はないかなと駅に隣接する書店に立ち寄っ時、この作家の名前を見つけて手に取ったのが「イッツ・オンリー・トーク」だった。
この作品も03年に、第96回文学界新人賞を受賞とある。
この人の作品は、うまく表現できないが、曲リ角はみな直角に曲がるような雰囲気がある。気持の移行が直線的に感じるからか。
主人公は自分を、どこかでもう1人の自分が冷静に観察しているような、熱くならず、フラットな気持を語る。
だから読むほうも、醒めた感じで言葉を追うのだが、ある瞬間ピタッと読み手の気持と重なる部分があるので、途中で読むのをやめない。
直感で住むことに決めた「蒲田」を「粋がない下町」と称して好む主人公は「引越しの朝、男にふられた」。
「ダメ男ばかり好きになる自分がイヤだ」と、朝っぱらから蒲田の町をうろついている時、突然拡声器で名前を呼ばれる…
ふっと死にたくなったよ、とメールしてきた従兄弟とのアパートでのひと夏の共同生活…
恋人でもない、友人ともいえない、大学時代の同級生や、やくざ、それに痴漢と称する男たち。
主人公も含めて 皆メンタル系の病を少しだけ抱えている…
作者いわく、すべては「むだ話」よ。
私としては芥川賞受賞作「沖で待つ」の方が数段面白かった。
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