ボスニア・ヘルツェゴビナの映画です。女性監督が撮った映画で、眼差しが丁寧で、映像を優しさで包んだような、印象を受けました。
お話はユーゴ内戦を知っている方なら、初めの5分くらい見れば想像できる内容ですが、やはり、明らかな殺し合いである戦闘が終わっても、民族浄化・いわゆるジェノサイドという異常な体験は関わった者、特に被害者の内部に重く、黒い影響を残し続けていることを、映像作品に仕上げるという行為で、声無き声を代弁し、映像の力で観る者に知らしめることに成功している、優れた映画だと思います。日本では心的外傷というものにあまり理解がなされていませんが、もっとこの映画のように心的外傷からの回復と人間性の再生が、被害を受けた当人にとって如何に重大な事態であるのかを理解する人が多くなるといいなぁと思います。
しょっぱなの目をつぶった女たちのシーンは非常に美しくて、私は好きです。
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