ヒロシマとナガサキ。原爆が投下された二つの都市です。被爆者へのインタビューを軸にした原爆映画です。1945年8月6日、9日の原爆投下からもう62年経ちますが、62年間の歳月でさえ被爆の事実を忘却の彼方へと追いやることなく、今でも被爆者の脳裏にしっかりと刻まれ続けていました。
目の前で燃えていく親姉弟、全てが破壊された街に黒焦げになった死体が累々と転がっている風景、火傷のケロイドにたかる蛆と蝿、痛みから殺してくれと頼む患者、放射能の後遺症が気味悪がられ普通の人達から今でも受け続けている差別。
毎日のように脳裏に甦ってくる地獄に苦しめられ、被爆者の方々は今でも原爆の中を生きているのです。光の中では社会に苦しみ、闇の中では記憶に苦しむ。被爆者の方々が生きてきた道筋は、余りにも苦難に満ちています。原爆どころか、戦争ですらも体験したことが無い、この幸福な私は、凄惨な体験に耳を傾け、自らの無知を想像力で補っていくことしか、術が無いように思います。
見る者が当時の状況に近づきやすいよう、本人の語りに当時の映像資料や被爆者が描いた絵をテンポよく交え、コンパクトにまとめた優れたドキュメンタリー映画です。直接被爆者の方々の話を聞くことのできる機会は少ないと思いますが、この映画を見て原爆とはいかなる存在であるのか?想像を巡らして頂きたいと思います。
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