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沖縄戦集団自決と歴史について

2007-04-01

教科書の記載を「沖縄戦での集団自決には軍による強制では無かった」とするよう文部省が行政処分(検定)を行いました。教科書検定自体が国による言論統制で、思想・言論の自由を保障している憲法に違反しているものですが、今回の決定は余りに無節操です。軍の強制はなかった、と言いますが、普通に暮らしている人間自発的に、首を絞め合ったり、手榴弾を使って爆死したりしますか?あなたはどうですか?外からの何らかの強制が無い限り、戦場で集団自殺するわけないじゃないですか。普通の民間人が、何故、日本軍と共に殺し合いをしなければならないんですか?人殺しは軍人が職業として行うことです。民間人は人殺し・戦闘とは関係ないんです。日本軍が沖縄で地上戦を行わなければ、集団自殺という状況は生まれなかったでしょう。大きな出来事の中のごくごく一部の点が事実であるかどうか確定できないというだけで、出来事全体の意味付けを特定の立場の人にとって都合のいいように改変していく、このような態度は史実に基づく歴史科学とは相容れない態度です。直接口に出して特定の言葉を、言った、言わない、という点だけ取り出して、全体の構造を覆い隠そうする企みは、ホロコーストで毒ガス使用が科学的に立証できないから、ホロコースト自体を存在しなかったとする、歴史修正主義と同一である、と言わざるを得ません。
 防衛庁から省へ。イラク特別措置法延長。武器禁輸措置解除を目指す経済界の運動。相模原への米陸軍第1軍団司令部の移転。横須賀への原子力空母配備。日本は明らかに平時経済国家から米国を模倣した軍事経済国家へと大きく舵を変えつつあります。この流れの中で(現在の政府との継続性が極めて強い)日本軍が中国や沖縄、アジア全域で行ってきた数々の残虐行為を無かった事とすることで、軍隊という暴力装置は、秩序ある(主として女は産む機械だとする自民党のセンセイが理想とする家父長制的な秩序ある)社会にとってなくてはならない、いざと言う時に頼りになる存在、というイメージを国民に形成させることを目指して、国が歴史に対しての介入を今までより更に強めたという事でしょう。
 歴史というものは、力が強く(暴力・金を社会の中でより多く持っている存在)大声で喚きたてるもの、だけが、在るものではありません。語りたくても語ることのできない、小声の抑圧された歴史が無限に存在しているのです。国家にとって都合のいい事実だけを繋ぎ合わせた歴史は、過去への盲目と無知を助長するだけの存在で有害ですらあります。嘘も憑き続けていると、嘘を憑いている本人はそれが真実であると思い込むようなり、真を隠すための嘘しか見ないようになります。
 今の世界では孤立して国家が存在することは不可能です。特に食糧などの自給を放棄している日本は軍隊の力が幾らあっても生き残る事はできません。人は食べるものが無ければ死ぬんです。日本軍も死者の半数は餓死であったと推測されていますが、他国との関係を無視し、米国だけに阿諛追従し軍国経済体制への復帰を進めることで、他国との緊張を高めることは、生きること(食糧)への安全保障を危うくすることに繋がるでしょう。
 歴史に目を閉ざす者は、未来に目を閉ざすのと同じである。と言う言葉を噛み締め、沖縄戦は何故起きたのか?誰が起こしたのか?軍とは何なのか?考えてみて下さい。
沖縄タイムス3月31日夕刊記事より転載
高校教科書に掲載された沖縄戦の「集団自決」の実態が国によって隠された。文部科学省は、今回の教科書検定で「軍命の有無は断定的ではない」との見解を示し、過去の検定で認めてきた「集団自決」に対する日本軍の関与を否定。関与を記述した部分の修正を教科書会社に求めた。同省が変更理由に挙げたのは「集団自決」をめぐる訴訟での日本軍の元戦隊長の軍命否定証言と近年の「学説状況の変化」。文科省の姿勢に、県内の関係者からは「沖縄戦の実相の歪曲」「殉国美談に仕立て上げている」と批判が出ている。
 沖縄戦研究者の吉浜忍沖国大助教授は「検定意見で日本軍の『集団自決』への関与がぼかされたが、軍隊が誘導したのが実態だ」と沖縄戦の実相を指摘する。その上で「国によって沖縄戦が書き換えられた。これまでの研究や調査を逆転させようという政治的意図を感じる」。

 「『新しい歴史教科書をつくる会』や『集団自決』訴訟の原告側支援者が文科省に内容の訂正を申し入れた結果だ」。大江健三郎・岩波書店沖縄戦裁判(「集団自決」訴訟)支援連絡会の小牧薫事務局長は、日本軍の関与を薄める内容に変更された理由を推測する。「今後、沖縄戦そのものが削除される恐れがある」と危惧する。

 沖縄戦の歴史歪曲を許さず、沖縄から平和教育をすすめる会事務局長の山口剛史琉球大学助教授も「『集団自決』訴訟の事実認定と証人尋問がこれからという段階で、極めて一方的だ」と文科省の姿勢に首をかしげる。「被告側は逆に『軍命があった』という証拠を出して反証している。それを一切無視した形で、かなり意図的なものと言わざるを得ないと思う」と語る。

 法律家の三宅俊司弁護士は「学者が客観的調査で調べた事実があるのに、裁判で争いがあるからといって、教科書に出さないのはおかしい」と、軍命を否定した検定の在り方を批判する。「教育は事実を教え、それを評価できる能力を育てることのはず。これでは思想統制だ。国民の教育権を侵害することになる」

 沖縄歴史教育研究会の代表を務める宜野湾高校教諭の新城俊昭さんは「『強制』という軍の関与を示す言葉が抜けると、住民が自ら死んだという殉国美談になる」と懸念する。「学校現場では沖縄の実相を教えることが難しくなると思う。それだけに今後はますます教師の技量が問われることになる」と指摘した。

 林博史・関東学院大教授(現代史)は「当日に部隊長が自決の命令を出したかどうかにかかわらず、全体的に見れば軍の強制そのもので、これを覆す研究は皆無といえる」と指摘。八○年代の教科書検定以降、「各教科書は、研究成果を踏まえて軍に強いられた自決であることを書いてきた。それを今回は、日本軍による加害性を教科書から消し去ろうとした。事実をあいまいにする政治的なひどい検定だ」と批判した。


「あれは軍命だった」
座間味・戦争体験者ら怒り


 沖縄戦時下、日本軍の軍命と誘導による「集団自決」で百七十七人が亡くなった座間味村では、軍の関与を削除した検定に怒りの声が上がった。

 日本軍と米軍の攻撃の中に取り残された中村一男さん(73)の家族は、日本軍に配られた手りゅう弾で「集団自決」を決行しかけた。「日本軍は各家庭に、軍が厳重に保管していた手りゅう弾をあらかじめ渡し、米軍の捕虜になるぐらいなら死になさいと話していた」とし、軍命否定は「歴史を歪曲することだ。私たちが戦争体験を語るのは事実を伝え、むごい戦争を二度と起こさないため。(国は)事実は事実として後世に伝えてもらいたい」と話した。

 集合場所とされた忠魂碑前へ向かうが断念、その後も「集団自決」しようとする家族を止めた宮里薫さん(74)は「書き換えで、軍命でなくなったのはおかしい。あれは軍の命令だった」と憤った。

 「僕の家族にも一発の手りゅう弾があった。軍のものだから、民間が勝手に取ることはできず、渡されたのは住民は死ねということだ。軍命がないというのは、住民の実感に合わない」と批判した。


軍関与削除「喜ばしい」/戦隊長側、法廷で発表


 【大阪】沖縄戦時に慶良間諸島で起きた住民の「集団自決」をめぐる訴訟の第八回口頭弁論で、戦隊長側の代理人が、三十日夕に文部科学省が公表した教科書検定の内容を法廷で事前に“発表”する一幕があった。識者からは「見過ごせないルール違反だ」との声が上がっている。

 代理人は口頭弁論終了間際の午後二時前、「本日、文科省が検定意見を付し、多くの教科書がこれに応じて記述を修正したと聞いた」と述べた。

 今回の教科書検定で、文科省が「日本軍による」など「集団自決」の主語を削除するよう教科書会社に求めたことを指摘。「真実が明らかになり、正しい記述がされるのは喜ばしい」とし「本件訴訟でもそのことを法廷で判決すべきだ」と述べた。

 裁判を傍聴した琉球大の高嶋伸欣教授は「一般の傍聴者がいる法廷で、社会的ルールを二の次にした行為だ。裁判と検定がなれ合った状態を看過できない」と批判した

Posted by inamiyaphotos 23:24:40 │Comments(0)TrackBack(0)

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foaf プロフィール

プロフィール
名前 稲宮 康人
e-mail photo_inamiya@yahoo.co.jp
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職種 その他
生年月日 1975 / 3 / 26

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