旧東ドイツで劇作家の家を盗聴・監視することになった国家保安局の局員が、盗聴を通して自分の知らなかった文化や、人と人とが交わる事の当たり前さを知っていき、社会主義国家の犬であることに疑問を持たなかった彼に変化が生まれてきます。全体主義国家の中での統治機構の在り様、またイデオロギーを利用して自己保身する人々、全体主義国家の中でも自由を求め国家に挑む人々、色んな立場の人々の視線から当時の状況を描いています。登場する人は特別な英雄として描かれておらず、誘惑や拷問に負ける普通の弱い人間として描かれています。暴力と思想統制と密告が横行する暮らしの中でも、だからこそ、自由を求めて人は抗い続けました。
カット割、編集、画面構成とも非常にオーソドックスな作りの映画ですが、オーソドックスだからこその力強さがある良い映画です。やはり過去をしっかりと見ることは現在をよりよくする為には欠かせない事ですね。
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