律令時代に国家が中心となって日本に導入した仏教。国の政策として全国に国分寺を作る、国のよる戒壇の統制等、国家と仏教は強いつながりがありました。そして空海・最澄によって真言宗・天台宗が誕生し、空海は国家とつながり、最澄は既成教団に闘いを挑み叡山を作ります。末法の世と考えられた平安時代に起きた阿弥陀仏を信仰する浄土教ブーム、そこを経て鎌倉期における浄土宗・浄土真宗・法華宗・時宗等の新興仏教の誕生するトコロまでイク訳ですが、資料を大胆に引用しながら各時代、各宗派の考え方のつながりと相違、更には時代背景を追っていく本です。時代を追うに連れ、仏教の信仰層が貴族層から武士さらには一般民衆にまで広がり、それと共に、仏による衆の救済方法も変わっていく様が書かれているので、概説書としていいと思います。何も知らなくても丁寧に読んでいけば、一通りの流れを掴む事ができます。ただ、71年にでた古い本なので最新の知識ではないですが、基礎の部分は変わっていないので十分に今でも通用する本であると思います。
安かったので買った本ですが、井上光貞氏は古代史の大家だそーで、歯応え充分な本でした。