日本の景観について、盆地・谷・山・原に分け、それらの持つ特徴を論じ、日本人が、懐かしいと感じる風景、美しいと感じる風景、とはどのような風景なのかを論じております。私が撮影の過程で、ひたすら見てきた日本の風景への印象と重なる所もあり、面白く読みました。日本の山村の典型的風景である、
山の辺の風景(山の麓に山を背に、平地を前にした集落)について、日本人の心理的要因から、そういった場所に好んで居住してきた、という点には?です。まあ、そういう点もあるでしょうが。でも、都市住民は兎も角、普通の野山に住む上では水や薪の採取、日光の当たり方、田畑へのアクセスの良さ、といった要因が絡まりあい、その土地での生活条件にふさわしい居住地が決定されてきたものだと思います。
ただ、日本全国がミニ東京になっている今、東京に成れない地方の街はどうあるべきか?と考える際に、「生きられる景観とは、場所あるいは土地にかくされた固有の特性を発見し、それを創造的に人間生活に組み入れることによる成り立つものである」との指摘は全くその通りだと思います。徒に東京の真似をしても、東京から人が呼べるわけではないですから、タダの真似なら本物のほうが良いに決まってます。土地によって異なる独自性を如何に確立し、またその魅力を如何に発信していくか?でしょう。