中国の長編ドキュメンタリー。工場ーRUST、街ーREMNANTS、鉄路ーRAILSの3部から成る全9時間5分。見終わって一つの巨大な塊を通り抜けたような感じがあります。確かにえらい長くて、見るのに覚悟がいりますが、見て損の無い傑作です。というか是非見るべき作品です。
作品の舞台は瀋陽の街の工業地帯・鉄西区。かつて日本が武器製造の為に作った工場地帯にソ連がドイツから撤収した機械類を援助し、一時期は100万人もの労働者が働く大工場地帯だったのが、改革開放から一転して破産が続出し、今では工場地帯そのものが存亡の危機となっている場所です。
一部では倒産していく大工場の労働者を追い。第二部では企業城下町での生活を若者を中心として、住宅の取り壊しと集合住宅への移転が進められていく中で、より良い移転条件を求めて電気・水道が止められた家に住み続ける人々を追い。3部では鉄西区を走っている鉄道と鉄道敷地内に住み着いている親子の生活を追い。ほとんどのシーンでカメラは被写体に寄り添って回り続けます。作者が積極的に関わり答えを引き出すのではなく、的確な構図でただひたすらに目の前の出来事を見つめ続ける事で、世界の、人間世界の、力強さ、豊穣な広がりを、被写体そのものに語らせるという手法で作品化することに成功しています。ペドロ・コスタの「
ヴァンダの部屋」の兄弟作品のような存在でしょう。