道路についての参考書
2006-07-15
自動車の社会的費用 宇沢弘文著
いま道路はほとんどが自動車の為の存在になっています。自動車の存在は、周囲の環境、住民に対してどのような影響を与えているのか?よく言われる渋滞による時間浪費、というような自動車に乗る側の視点でのみマイナス面を取り上げるのでなく、自動車を使わない側に自動車が与えているマイナス面、騒音、振動、排ガス、交通事故、といった要因を経済学で分析しています。道路を考える上での古典です。

高速道路は永久有料化でよい。そもそも国が無料で提供すべき道路が有料になったのは、当時政府にお金がなかったからであって、利用者が国に変わって建設費を負担したのであるから、原則から言えば財政に余裕が出てきた時点で国が利用者に料金を返すべきである。それが有料になっているのは高速が時間の短縮という大きな利益を利用者に提供しているからであり、全ての建設費・維持管理費が税金によって賄われるのであれば、利用していない人にとって不公平な負担となる。という論旨です。
料金も税金も国民の負担であるには変わらない、というエライ当たり前の事を言っている数少ない本です。公団騒動で一冊といえば、この本がお薦めです。
生活の中で交通が果たしている役割を、車からだけでなく、他の輸送モードも含めた上で検討し、環境問題、資源問題等を踏まえた上で、車だけに頼ることない社会を如何に構築していくのか?という点を判り易く概説しています。
結局なにも変わらなかった、というか余計悪化した、道路公団の民営化騒動を始めから終わりまでカバーしている読みものです。これが一番まとまっているんじゃないのかな。と思います。
NHKスペシャルで放送した内容を本にしています。公団のいいかげんな金の使いッぷりを丹念に追い、なんでこんなに借金ができたのか?を解明していってます。

今回の騒動で一番得した人でしょう。本は恐ろしくつまらないです。とにかくイノッチが如何に、小泉と一緒になって民営化を実現させたのか、が全編に渡って自慢たらたらで書かれています。
全国の高速道路建設路線に並走する国道を実際に走り、建設費用と走行台数、国道の混雑度を検討し、この区間は作る必要ないんじゃん?ここは作った方がいい、なんて言ってます。車業界の人ですので、基本的には作ろうよ、というスタンスです。
日本の道路の歴史を書いた通史です。古代の記述が多く、近代が薄いのですが、今のところこの本しかありません。律令制度下で作られた街道、(東海道・東山道・北陸道など)は現在の高速道路と同じ様なコースを辿っている、律令国家・戦後日本共に、中央集権的に作られたので必然的にコースが似てきた、というところの記述などは、やっぱり面白いです。
日本列島改造論 田中角栄著
この本を読むと、なんだ今の社会は角栄が語った誇大夢想を未だに実行し続けているんだ、とはっきり判ります。土建、政治、官僚、ヤクザががっちり結びついて税金を喰い物にするシステムを築き上げ、今でもそれは有効に作用しているなと思います。
道の文化史 シュライバー
ヨーロッパを舞台にして古代から現代までの道路の歴史を書いています。始めは地中海と北海を結ぶ琥珀の道で、軍事街道としてのローマ街道、交易街道としてのシルクロード、汽車の登場と、車の登場と、道の成立と歴史が概観できます。
Posted by inamiyaphotos 23:50:54 │Comments(0) │TrackBack(0)
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