1878年にイギリス人女性のイザベラ・バードが東京から東北、北海道を4ヶ月間に渡って旅行しました、その時妹宛に出した手紙を元にして書かれた旅行記です。1867年が維新ですから、まだ徳川幕府から明治政府に変わった直後のことです。明治政府が積極的に展開していく西洋文明(技術)の導入(小森陽一が言うところの自己植民地化)はまだ東京に於いてほんの少し始まったばかりで、著者が旅した地域は全く江戸期のままのような状態にありました。こうした時代に西洋の白人女性という全くの異星人が日本の奥地に入り、その生活や風景を見事な筆致で記録しています。特に北海道に入ってからのアイヌの生活についての記述はかなり読ませてくれる部分です。当時の西洋人のキリスト教+技術絶対の考え方でもって全てを判断している部分が多少五月蝿くはありますが、それも含めて、たったの150年前で、今とは全く違う日本の姿を教えてくれる非常に面白い本です。
東京、日光、津川、新潟、米沢、山形、新庄、湯沢、久保田、大館、碇ヶ関、黒石、青森、函館、森、室蘭、白老、苫小牧、平取、門別、室蘭、礼文華、長万部、函館、東京、という旅程です。
去年の夏私が北海道・東北撮影に行った時とほぼ同じ所に行っているので(未だアップしてませんが・・・)、自分と同じ場所で同じ様な感想を持っていたり、風景の移り変わりの比較ができたりと非常に面白かったです。
日本人は非常に子供をかわいがる、とよく書いていますが、これは
母性という神話でバダンテールが語ったように、当時の西洋社会では子供を自分で育てるということがなかったので、それが筆者にとって珍しい光景であったからかしら?