この前読んだ、
「母性という神話」に触発されて買った上野千鶴子の「家父長制と資本制」。さっき読み終わりました。あまりの情報量と、フェミニズムによる視点の確かさに圧倒されて、読了後しばしぼうっとしていました。
家父長制、(男が女を構造的に支配・搾取している社会状況)、が成立してきた歴史的背景を詳述するのは勿論。資本によって成立した市場が、市場外要因である家庭を通して家事労働(日々の男=夫の労働力再生と子供の養育)を無償労働のままに留め置くことで母=女から労働を搾取し、また、通常労働力としての女も、男性労働力より劣る二流労働力として資本に利用されている、という現状について、非常に的確に指摘、理論化していました。どこをとっても無駄な部分の無い、刺激に満ち合ふれた本でした。
簡単?に言えば、結婚前は社会の中で男より劣った労働力という地位に置かれ(今は多少変わってきましたが)、結婚後は家庭で家事・育児を行うのが当たり前というような常識は、近代の所産であって、男主体の資本制・家父長制に利用されているだけである。という視点でもって、社会批判を行っている本であります。 90年の本ですので、多少、この本が述べている点よりも進んでいる現在もありますが、現在を批判的に掴むための考え方を提供してくれます。