ボストン美術館に収蔵されている肉筆浮世絵コレクションが1世紀ぶりに日本に帰ってきました。浮世絵が誕生した1600年代から幕末までの肉筆作品の名品がこれでもか、と並べてあります。線によらないで陰影によって対象を描く西洋画に対し、線の強弱と画面構成で描く浮世絵。多くの美人画、江戸風俗画を見ていると谷崎潤一郎が細雪で書いている世界を見ているように思えました。
しかし、なんといっても白眉は葛飾北斎です。北斎の前に北斎無し、北斎の後に北斎無し。でしょう。刷ったものと違い、肉筆浮世絵を買うのは金のある商人や武家階層でしょうから、その顧客の意に沿うように、男の望む女や世間を描く絵師、がほとんどの中、世間に受け入れられる受けのいい絵でなく、自分の描きたい絵を90才になっても追求し、常に新しい境地に挑んでいく姿勢は、他の絵師にはみられません。
神戸市博物館で5月28日まで。
その後、
名古屋ボストン美術館(6/17〜8/27)、
江戸東京博物館(10/21〜12/10)に巡回します。