日本の誇る世界の写真家、
濱谷浩です。彼については、「濱谷浩写真集成」の地の貌に書いてある、エルンスト・ハースの序文が、全てを語っていると思いますので、それの一部を引用いたしましょう。
われわれの生命と感覚にはかぎりがある、小さきもの大きなものなら見ることもできるが、極小と極大、ましては絶対的な全体は人知の及び得ぬものである。だから、われわれは部分の中に全体を求めるほかない、写真とはこの全体を形作る部分なのだ。濱谷は全体を抱きとろうとして生きてきた男である。しかし、全体に手を触れようとすればするほど、わが腕のあまりに短く、360度の地平を抱き取り得ぬことを識ったのだ。だからこそ、かれはカメラを手に執った。50年前のことである。濱谷は交響楽的手法で、この楽器を奏でた、翻訳を必要とせぬ、目に見える言葉として。彼の主題は人間と自然である。
かれは自然を考えるのではなく、自然を感じ、自然と化した、こうした天衣無縫は人の達し得る高度の抽象段階である。