網野善彦による、古代から近世の誕生までをメインにした日本通史です。
岩波新書で3分冊になってます。
日本という国が海によって閉ざされた島国である、という観点を否定し、海は常に大陸と日本をつなぐ道であり、川は内陸部と沿岸部をつなぐ道であり、日本の歴史は海路を通じて世界との活発な接触の下で営まれてきた、というのがモノスゴク大まかな内容です。また、昔の税金=米という図式がなんとなくあると思いますが、全然そんなことはなく、地域の特徴に応じた税(絹・鉄・木材・鮑・椎茸・塩・等々)を支払っており、百姓=米を作る人ではなかった、ということや、今では辺鄙な場所になっている能登半島や十三湊が海上交通が盛んだった時代に於いては非常に恵まれた立地であった、なんていうことも、読んでみると、現在の陸上中心の見方からだけでは判らないことも理解できるようになってきます。
農村には水戸黄門に助けられる貧乏農民ばかりがいた昔の日本、ではなく、各地域、各階層の人々がお互いに極めて活発に影響を与え合い、動き回っている、そういう生きた日本の過去の姿を想像することができるようになる本です。
非常に良い本です。是非読んでみて下さい。
余談ですが、広島で
御調がどうした、とか書いたのはこの本を読んだからです。