狼少年の話、みなさんご存知ですよね。
しかし、私は思うのです。
一度や二度、騙されたって人を信じる事は大切だと。
高校の時の話です。
泳げないクラスメイトがいました。
泳げないというか、彼自身は泳いでいるつもりらしいのですが、
他人目に見ると、どう見ても
あっぷあっぷばしゃばしゃと溺れているようにしか見えないのです。
そんな彼と、水泳の授業に挑んだ時の事です。
25mプールをクラスメイトが順番に泳いでいました。
もちろん、泳げない彼も同様です。
彼独自の泳法を知っている私たちは、
いつもどおり、さも溺れているかのような
彼が泳ぐ姿をプールサイドから見ていました。
そんな最中『ばしゃーん!』と大きな水音をたてて、
先生がプールに飛び込んだのです。
その光景に、私たちはびっくり。
そして、まさかとは思ったのですが、
先生は迷う事なく泳げないように泳ぐ彼のところまで行き、彼を助けたのです。
「大丈夫か!?」
何って、助けられた彼自身が一番びっくりです。
彼が先生に「泳いでいました」とつげると、
先生は「そうか、すまん」と言って
はしごを登りプールサイドに戻りました。
次の水泳の授業の時。
彼が泳いでいると、またしても水音が聞こえて来ました。
「大丈夫か!?」
「泳いでいました」
「そうか、すまん」
その救出劇は、夏の間中繰り返されました。
もしもの事態を想定しつつも、生徒を信じる心を忘れない
真面目でいい先生だと思います。
それか、熱かったから先生もプール入りたかったか・・・。
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