アメリカのUSドルは、世界的ニーズが高く、影響力のある通貨であり、基軸通貨として流通しています。
世界中に数ある通貨の中でも、USドル/円、ユーロ/USドルをはじめとしたUSドルがらみの通貨ペアの流通量は際立って大きく、貿易の決済や金融取引など、国際的取引の場で「決済通貨」として使用されることが多いのがUSドルです。
なぜUSドルがここまで大きな力を持っているのか?
これは単純にアメリカと言う国の国力からきていると考えることが出来ます。
アメリカは世界で最も大きな経済力を持つだけではなく、ロシア(旧ソ連)との冷戦が終結した後、唯一の軍事超大国として世界に君臨することの信頼感から、USドルの価値や地位を高めているのです。
これほどの大きな力を持つUSドルですから、世界的な金融危機やテロや戦争が起こった際には基軸通貨としてのUSドルが買われる場合が多く、これをよく「有事のドル買い」と呼びます。
どういうことかというと、世界情勢の先行き不安の状況では、とりあえず通貨の中で最も力のあるUSドルを買っておこうという、逃避行動が生まれるのです。
これほどまでに大きな影響力のあるUSドルなので、USドルのレートに影響するアメリカの国内経済事情が世界中の通貨全体に影響を与えます。
こうしたことから世界の市場関係者全てがアメリカ経済指標や金融政策に注目するのです。
ただし、基軸通貨であり最も力を持った通貨であるUSドルであれ、その基盤は決して磐石とはいえません。
現在の為替レートである変動相場制が始まったのは1971年のドル・ショックからです。
アメリカがベトナム戦争などで情勢が悪くなり、不振に陥ったことから施行されたものですが、それ以降USドルの為替レートは低下傾向をたどりました。
そしてアメリカが抱える、財政赤字と貿易赤字の、いわゆる【双子の赤字】もUSドルに対する懸念材料として指摘され続けています。
90年代後半には一時的に財政赤字は改善されつつあったのですが、2001年のアメリカ同時多発テロ以降、イラク戦争の長期化や大規模減税により再び悪化し、USドルの信頼の幹を揺るがしています。
USドルは各国の中央銀行が決済の為の準備通貨として保有していますが、最近ではUSドルだけではなくユーロを準備通貨として保有数を増やす動きも広がっていて、USドルの基盤、地位が揺らぎつつあることが垣間見えます。
■USドル/円の為替レートの過去5年の推移(2008年4月現在)

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