朝のラッシュで込み合う中、高2女子(16)の尻をスカートの上から両手で交互にナデナデ。被害者の女子高生と同年代の孫がいるというのに……。
ホント、あきれたジジイだが、今回の事件はあくまで氷山の一角。この手の“わいせつ老人”が、過去10年間で急増しているのだ。
警察庁の統計によると、06年に痴漢などで検挙された70歳以上の「わいせつ犯」は、129人に上った。98年(36人)の3.5倍。目に余るのが「強制わいせつ」の増加で、98年の14人から06年には72人と、一気に5倍も増えた。強姦で検挙される老人も、確実に増えている。
性人類学者のキム・ミョンガン氏は「この10年の社会の変化が、老人の理性を失わせている」と、こう警鐘を鳴らす。
「格差社会が叫ばれて久しいが、その最たる例が老人です。フーゾク通いの老人は増え、今や老人同士の出会い系サークルまで存在します。ただ、性を満喫する“富める老人”は、ほんのひと握り。大多数はわずかな年金だけが頼りの生活です。そんな我慢も若ければ5年後、10年後の生活に期待を抱き、乗り越えられますが、人生の終わりが見えてきた老人は、希望を持てない」
あるのは、不安と絶望だけだ。
「追い詰められた生活で理性と欲望のバランスを失い、安易な形で性欲のハケ口を求めてしまう。この10年で老人の“わいせつ欲”が劇的に増えたとは思えません。老人を狂わせる“病根”は、間違いなく社会の側にあるはずです」(キム氏)
事件は、社会の鏡だ。わいせつ老人の増加は、アキバ通り魔事件と同様、この国の歪みを映し出している。

