男性同士が恋愛問題で悩むとき「押すべきだ」「いや、引くべきだ」という議論をすることが多いと思うのですが、どちらかというと、押すべきタイミングだとか引くべきタイミングというものを心配したほうがいいのかもしれません。
某鉄鋼メーカーで働くDくん(28歳)は、ゴルフ仲間を通じて知り合ったYちゃん(24歳)に、ひと目でクラッときてしまいました。背がスラリと高くて、細くて、色白で、日本風のきつい感じの美人なのに、笑うと目がなくなってガラリと印象が変わり、とてもかわいい顔になるYちゃん。彼女があんまり美人なので緊張してしまい、つい自分のことばかり話しまくって、ほとんど彼女自身の話を聞くことができませんでした。
後で、共通の友人から聞いたところ、彼女にはやっぱり彼氏がいるそうで、しかもその男は、とても顔がよくて背が高くて、さわやな好青年のようです。
(ううん、やっぱりボクにはムリかあ)
不本意ながらちまたでは桜金造に似ていると評判だし、もしかしたら彼女より背が低いかもしれないDくんは、少しやるせない気持ちになったのでした。
叶わぬ思いを抱えたまま彼女に会うのはつらいので、Dくんはその後長いこと、Yちゃんとは顔をあわせないようにしていました。ところが、あるとき、「Yちゃんが彼氏と別れた」というウワサを耳にしたのです。
Yちゃんの友だちに、その話が本当かどうかできるだけさりげなくさぐりをいれてみると、
「そうよ、別れたの。なんかね、彼のご両親に会ったらね。学歴とか何とかがうちの息子とは釣り合わない、とかいわれたみたい。今時そんなこという人がいるなんてビックリでしょ。それに、彼氏のほうもYちゃんをかばうでもなく『親に反対されてるから会えない』とかいいだしたんだって。信じられないでしょ!」
と、別れた事情まで教えてもらってしまいました。
次にゴルフ仲間で飲み会をすることになったとき、Dくんは迷わず出席することにしました。そして、思い切ってYちゃんにメールを送ってみました。
「明日の飲み会、Yさんも参加しますか?」
すると、その日の夜、DくんのケータイにYちゃんから電話がかかってきたのです。
「あたし、明日は用事があって出られないんです」
彼女が電話をくれた! このウレしくも衝撃の事実に目がくらみそうになりましたが、Dくんは、ここは冷静にならなくてはいけないと判断し、ごくわずかな時間でイロイロなことを考えました。
(電話をくれたということは、少なくともボクのことをイヤなヤツとは思っていない証拠といえるかもしれない。ボクに少しでも悪い印象をもっていたら、メールだってムシしていたはずだ。彼女が電話をくれるなんて、こんなチャンスはもうない)
そこですかさず、
「それじゃあ、時間のあるときにいっしょに食事でもしませんか?」
といいました。そうしたら、なんと、
「えっ? 別にいいですけど」
彼女から、OKの返事をもらってしまったではありませんか。
さらに、たたみかけるように、
「来週の金曜日の夜はあいてますか?」というと、「はい、大丈夫です」といってもらい、最終的には彼女とお付き合いできるようになったのでした。
彼のように、押すタイミングを逃さずに上手に女の子を誘えると、その後もよほどのことがない限りふたりの関係はうまくいくものです。たとえ弱みにつけこんでも(多少は、ですけど)、ダメかもしれないと考え込んでひるむ間に、いうべきときは、タイミングを逃さずにいってしまいましょう。ぜひ、迷わず悩まず「いって」ほしいと思うわたしです。
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