精神病疾患の診断のバイブルとされる、アメリカ精神医学会の『精神疾患の分類と診断の手引き』DSM−4では、痴呆[認知症](ちほう[にんちしょう])のさまざまなタイプについて定義を行っていますが、そのなかにいずれも「その欠損はせん妄の経過中にのみ現れるものではない」という一節があります。
では、その「せん妄」というのはいったいどのようなものなのでしょうか?同じく、アメリカ精神医学会『精神疾患の分類と診断の手引き』(DSM-4)では、「せん妄」を幾つかのタイプに分け、次のように定義しています[参照:『DSM-4精神疾患の分類と診断の手引き新訂版』医学書院]。
せん妄のタイプには次のようなタイプがあります。
1.「[一般身体疾患]によるせん妄」
2.物質中毒せん妄
3.物質離脱せん妄
4.複数の病因によるせん妄
5.特定不能のせん妄
●「[一般身体疾患]によるせん妄」の定義
1.注意を集中し、維持し、他に転じる能力の低下を伴う意識の障害(すなわち環境認識における清明度の低下)
2.認知の変化(記憶欠損、失見当識、言語の障害など)、またはすでに先行し、確定され、または進行中の痴呆[認知症]ではうまく説明されない知覚障害の発現。
3.その障害は短期間のうちに出現し(通常数時間から数日)、1日のうちに変動する傾向がある。
4.病歴、身体診察、臨床検査所見から、その障害が一般身体疾患の直接的な生理学的結果により引き起こされたという証拠がある。
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